クラウドストレージとは?
クラウドストレージという言葉はよく聞くけれど、具体的にどのようなものかご存じですか?ここでは基本的な定義から、法人利用で注目される理由まで、クラウドストレージの全体像をわかりやすく解説します。
クラウドストレージとオンラインストレージの違い
クラウドストレージとは、インターネット上に設けられたデータの保管領域を利用して、ファイルやデータを保存・共有するサービスです。「オンラインストレージ」と呼ばれることもありますが、厳密には異なります。
クラウドストレージは、複数のデータセンターに分散してデータを保管し、スケーラビリティと高可用性を備えた基盤を指します。一方、オンラインストレージはより広い概念で、インターネット上のストレージサービス全般を指すことが多いです。
クラウドストレージの「クラウド」という名称は、インターネットを象徴する雲のマークから来ており、ユーザーがサービスの内部構造を意識することなく、インターネット経由でサービスを利用できることを表しています。クラウドストレージは、オンデマンドでリソースを利用でき、スケーラビリティに優れているという特徴を持ちます。
利用者は、PCやスマートフォン、タブレットなどのデバイスから、場所を問わずにデータへアクセスできます。従来のように自社内に物理的なサーバーを設置・運用する必要がなく、サービス提供事業者が管理するサーバーを利用するため、運用負荷の軽減やコスト削減に繋がります。
法人向けと個人向けクラウドストレージの違い
法人向けクラウドストレージと個人向けサービスの最も大きな違いはセキュリティと管理機能にあります。個人向けサービスは手軽に利用できる反面、ビジネスで利用するには機能が不十分です。法人向けサービスは、詳細なアクセス権限設定、操作ログの監査、二要素認証、IPアドレス制限など、企業のセキュリティポリシーに対応する機能が充実しています。
また、法人向けサービスは、SLA(サービスレベルアグリーメント)による稼働率の保証、専門的なサポート体制、複数ユーザーの一括管理機能など、企業運用を前提とした設計がなされています。個人向けサービスでは、利用規約によってはサービス提供者がデータを分析・利用する可能性があり、機密情報の保持には適していません。法人向けサービスは、データの厳格な保護と利用者の秘密保持を契約で保証しています。
従来のファイル管理で起きていた問題
従来のオンプレミスファイルサーバーでは、社内ネットワークからのアクセスは容易でしたが、特にテレワークやハイブリッドワークといった外出先からのアクセスニーズが急速に高まりました。VPN経由でのアクセスは可能でしたが、設定の複雑さやセキュリティの懸念、アクセス速度の遅さなど、多くの課題があり、特にモバイルデバイスからのVPN接続は速度が遅く、ユーザー体験が低下していました。
バージョン管理が手動であったり、容量拡張に時間がかかったり、災害時のデータ保護が不十分だったりするなど、現代のビジネス環境に対応しきれない状況が生じていたわけです。また、ファイルサーバーの運用・保守には専門的なIT知識が必要で、ハードウェアの故障時には業務が停止するリスクもあり、さらに複数の拠点でのファイル共有も困難で、同期の手間が大きな負担になっていました。
法人利用で注目されている理由
クラウドストレージが法人利用で注目されている理由は、これらの伝統的な課題をすべて解決できるからです。社外からの容易なアクセス、スケーラブルな容量管理、高度なセキュリティ機能、自動バックアップによるBCP対策など、現代的な働き方と企業のセキュリティ要件の両立を実現します。クラウドストレージは、単なる「ファイル置き場」であるだけでなく、企業の情報活用を次のレベルへ拡張するプラットフォームといえます。
特に、テレワークやハイブリッドワークといった多様な働き方が定着する中で、場所に依存しない業務環境を実現するための必須インフラとして認識されるようになりました。
法人がクラウドストレージを導入する主な目的
単なるファイル置き場にとどまらないクラウドストレージ。本章では、業務効率化やBCP対策など、多くの企業が導入によって達成しようとしている具体的な目的を解説します。
社内のファイル共有・業務効率化
クラウドストレージを導入する最も身近な目的は、社内のファイル共有を効率化することです。従業員はオフィス、自宅、外出先など、どこからでも必要なファイルにアクセスできます。バージョン管理が自動化され、複数人での同時編集も可能になり、チームのコラボレーションが円滑になります。
テレワークやハイブリッドワークといった柔軟な働き方を支援し、ビジネスのスピードを落とさずに業務を継続できる環境を実現します。高度な検索機能により、必要な情報を迅速に見つけ出すことができ、ファイルを探す時間が削減されます。従来のメール添付でのファイル送受信と比べて、バージョン管理が明確になり、「どのバージョンが最新か」という混乱がなくなります。
取引先とのファイル共有 大容量データ送信
社外の取引先やパートナー企業との安全かつ効率的なファイル共有も重要な目的です。設計図面や高解像度の画像・動画、大量の資料など、メール添付では送れない大容量のデータを扱う際にその価値を発揮します。
従来のメールにパスワード付きZIPを添付する「PPAP」は、セキュリティ上の脆弱性が指摘され、多くの企業で廃止されています。法人向けクラウドストレージは、共有リンクのパスワード設定、有効期限、ダウンロード回数制限などの機能により、PPAPの代替手段として最適です。相手にアカウント登録を要求することなく、シンプルなURLリンクでファイルを共有できるため、取引先の負担も少なく、スムーズなコラボレーションが実現します。
バックアップ データ保護 BCP対策
クラウドストレージのデータは、地理的に離れた複数の堅牢なデータセンターに分散して保管されています。万が一PCが故障したり、ランサムウェアに感染したりした場合でも、クラウド上から正常な状態のデータを復元できます。これにより、不測の事態が発生しても事業を継続できるBCP対策となり、企業の事業継続性を確保します。
バージョン管理機能により、過去の状態に遡ってデータを復元することも可能です。例えば、誤ってファイルを削除した場合や、ウイルス感染前の状態に戻したい場合など、タイムマシン機能のようにデータを復旧できます。これは、オンプレミスのファイルサーバーでは実現困難な機能です。
法人向けクラウドストレージを導入するメリット
クラウドストレージの導入は、企業に多くのメリットをもたらします。ここからは柔軟な働き方の実現からコスト削減、セキュリティ強化まで、導入によって得られる具体的な利点を4つの側面から詳しく解説します。
場所やデバイスに依存しない業務環境を構築できる
インターネット環境さえあれば、いつでも、どこからでも、どんなデバイスからでも必要な情報にアクセスできます。テレワークやハイブリッドワーク、ワーケーションといった現代的な働き方を実現するための基盤となり、ビジネスのスピードを落とさずに業務を継続できます。
特に、マルチデバイス対応はもちろんのこと、モバイル専用アプリの使いやすさや、セキュリティが確保されたアクセス経路を提供しているサービスを選ぶことが、このメリットを最大限に活かす鍵となります。
ファイル共有・管理コストを削減できる
ハードウェアコストの削減、運用・保守コストの削減、データセンター費用の削減に加え、情報検索時間の短縮やペーパーレス化による間接的なコスト削減も期待できます。情報システム部門の人的リソースを他の戦略的な業務に振り分けることができ、全体的な業務効率が向上します。
初期費用や月額費用は発生しますが、これらのコスト削減効果を総合的に勘案すると、多くの企業で費用対効果の高い投資となります。特に、大規模な組織での導入の場合、コスト削減の効果はより顕著で、投資回収期間を短縮できます。
情報漏えいリスクを下げられる
ユーザーごと、フォルダごとに細かい権限設定が可能で、操作履歴がすべて記録されます。通信経路とサーバー上のデータ保存領域の両方でデータが暗号化され、第三者による盗聴や不正なデータ解読を防ぎます。特に、役職や部署といった日本の組織構造に合わせた柔軟な権限管理や、詳細な監査ログ機能は、内部不正のリスクを低減し、企業のガバナンスを強化する上で極めて重要です。
誤送信防止機能として、共有リンクのパスワード設定や有効期限設定、ダウンロード回数制限、さらにはファイル送信時の上長承認ワークフローなどを組み合わせることで、ヒューマンエラーによる情報漏えいを未然に防ぎます。こうした多層的なセキュリティ対策は、特に機密性の高い情報を扱う法人にとって不可欠な機能です。
事業成長に合わせて柔軟に拡張できる
管理画面から数クリックするだけで、ユーザー数やストレージ容量を簡単に追加・削減できます。スモールスタートが可能で、必要に応じてシームレスに拡張できるスケーラビリティが大きなメリットです。将来の事業成長を見越して、初期投資を抑えながら段階的に全社へ展開していくという柔軟な導入計画を立てることができます。

法人向けクラウドストレージの選び方
自社に最適なクラウドストレージを選ぶには、どこに注意すべきでしょうか。ここでは料金や容量だけでなく、セキュリティや運用管理のしやすさなど、失敗しないための選定ポイントを解説します。
料金プランとコストの考え方
法人向けクラウドストレージの料金体系は、主に2種類に大別されます。「ユーザー課金制」は、利用するユーザー(ID)数に応じて料金が決まるプランで、利用人数が少ない場合や、利用人数が増えることが予想される場合に向いています。料金が事前に把握しやすい利点がありますが、全社導入などで利用者が多くなるとコストが増大する可能性があります。
「容量課金制」は、利用するストレージの総容量に応じて料金が決まるプランで、ユーザー数は無制限であることが多く、利用人数が多い企業にコストメリットが出やすい傾向があります。使用するデータ容量がある程度わかっている場合に向いています。料金プランを選定する際には、単なる月額料金だけでなく、初期費用、導入支援費、カスタマイズ費、サポート体制に含まれるサービス内容なども総合的に検討することが重要です。
容量 保存制限の違い
クラウドストレージの容量は、サービスによって大きく異なります。個人向けサービスは数GBから15GB程度ですが、法人向けサービスは数百GB~無制限のプランが一般的です。ただし、容量だけで選ぶと失敗することもあります。
特に「無制限」を掲げるプランでは注意が必要です。無制限であるがゆえに、不要なデータまでアップロードされてしまう可能性があります。その結果、データ量が増加し、管理工数が増え、セキュリティリスクも増大する危険性は否めません。容量が無制限だからこそ、アクセス権限の厳格な設定と、詳細な監査ログによる管理が、より一層重要になります。
保存制限とは、ファイルサイズの上限や、保存期間の制限などを指します。無料版では、単一ファイルのサイズに制限があったり、一定期間アクセスがないと自動削除されたりする場合があります。法人利用では、こうした制限がないサービスを選ぶことが重要です。
ただし、制限がないことにもデメリットがあります。例えば、プロジェクト終了後も、アクセス権限を明示的に削除しない限り、ユーザーが継続してファイルにアクセスできてしまうというリスクです。有期的に利用するプロジェクトの場合、期間終了後のアクセス権限の自動削除機能や、明確な権限管理ルールが設定されているサービスを選ぶことが重要です。
セキュリティ権限管理の基本
法人利用において、セキュリティは最も優先すべき項目です。自社のセキュリティポリシーを満たす機能を備えているか、以下の点を中心に厳しくチェックする必要があります。特に、金融機関や医療機関など、規制の厳しい業界では、データセンターの所在地(国内か海外か)や、準拠しているセキュリティ基準(ISO/IEC 27001、SOC2など)も重要な選定基準となります。
「認証機能」では、ID/パスワード認証に加え、二要素認証やシングルサインオン(SSO)に対応しているか、IPアドレスによるアクセス元制限が可能かを確認します。「アクセス制御機能」では、ユーザーやグループ単位で、フォルダごとに細かいアクセス権限(閲覧、編集、アップロード、削除など)を設定できるかが重要です。特に、統計情報や給与情報、顧客情報といった機密情報を扱う部門では、より細かい権限設定が必須です。暗号化、二要素認証、ウイルス対策など、多層的なセキュリティ対策を実装しているかを確認しましょう。
法人向けクラウドストレージを選定する際の重要なセキュリティ機能を以下にまとめました。
- 細かい権限管理(役職、部署単位での設定)
- 詳細な監査ログ(ユーザーだけでなく管理者のアクションもすべて記録)
- ファイル送信時の上長承認ワークフロー
- 暗号化、二要素認証、IPアドレス制限などの複数層セキュリティ対策
外部共有機能の使いやすさ
社外との安全なファイル共有を実現するためには、外部共有機能が充実していることが重要です。共有リンクのパスワード設定、有効期限、ダウンロード回数制限、IPアドレス制限など、きめ細かい制御が可能であることを確認します。
また、相手にアカウントを要求しない、ブラウザベースでの簡単なファイル送受信が可能かどうかも、利便性を左右する重要なポイントです。送信側だけでなく、受け取る側にとっても、複数のファイルを一括ダウンロードできるなど、収集にも便利な機能が備わっていることが重要です。ダウンロード追跡ログ、上長承認ワークフロー、パスワード自動発行、ファイル送信時の上長承認機能などを有していれば、情報漏えいリスクをさらに低減できます。
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社外との安全なファイル共有のために必須の機能
- 共有リンクのパスワード設定、有効期限設定
- ダウンロード回数制限、IPアドレス制限
- ダウンロード追跡ログの詳細な記録
- アカウント不要で簡単に共有可能な機能
運用・管理のしやすさ
複数のユーザーを一括管理できる管理画面の使いやすさ、ユーザーの追加・削除・権限変更が容易かどうか、監査ログの検索・エクスポート機能が充実しているかなど、運用面での使いやすさも重要です。
また、サポート体制が充実しているか、導入時のコンサルティングや運用支援が提供されているかも、長期的な満足度を左右する要素です。
法人向けクラウドストレージの料金相場
クラウドストレージの導入を検討する上で、コストは重要な要素です。ここからは中小企業と大企業それぞれの料金相場を解説し、価格だけで選ぶことの危険性についても触れていきます。
中小企業向けの料金目安
中小企業向けのクラウドストレージは、ユーザー課金型で月額1,000円~2,000円/ID程度、または容量課金型で月額15,000円~30,000円程度が目安です。基本的なセキュリティ機能と管理機能を搭載しており、導入しやすい料金プランになっています。
初期費用は無料のサービスが多いですが、オンプレミスからのデータ移行支援を依頼する場合には、別途コンサルティング費用などが発生することもあります。
大企業向けの料金目安
大企業・エンタープライズ向けのクラウドストレージは、容量課金型で月額50,000円~数十万円以上が目安です。高度なセキュリティ、詳細な権限管理、監査ログ、ワークフロー、API連携など豊富な機能を搭載しており、大規模な組織での運用を想定した設計がなされています。
初期費用として数十万円~数百万円が発生することもあり、導入時の設定支援や高度なカスタマイズが含まれることが多いです。
安いクラウドストレージを選ぶ際の注意点
安価なプランでは、必要な機能が不足していたり、セキュリティレベルが低かったり、サポート体制が不十分だったりする場合があります。価格だけでなく、必要な機能やセキュリティレベルを満たしているかを確認することが重要です。
特に、セキュリティ機能や監査ログ機能が不足していると、後々、上位プランへの変更を余儀なくされ、結果的に割高になってしまう可能性があります。
以下は、法人向けクラウドストレージの料金相場を整理した表です。
| 企業規模 | 料金体系 | 月額費用目安 | 初期費用 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 中小企業 | ユーザー課金制 | 1,000円~2,000円/ID | 不要から数万円 | 基本的なセキュリティ機能、簡単な管理機能 |
| 中小企業 | 容量課金制 | 15,000円~30,000円 | 不要から数万円 | 大容量、複数人利用に適したコスト |
| 大企業 | 容量課金制 | 50,000円~数十万円 | 数十万円~数百万円 | 高度なセキュリティ、詳細な管理機能、専門サポート |
法人向けクラウドストレージは何を基準に選ぶべきか
料金や容量だけでサービスを選ぶと、後で思わぬ問題に直面することがあります。ここでは、導入後に後悔しないために、本当に重視すべき選定基準とは何かを、具体的な失敗例を交えながら解説します。
【重要な選定基準】
・セキュリティ機能と管理機能
・サポート体制
・カントリーリスク対応
特に、海外リージョンを利用するクラウドサービスや、提供事業者に海外企業が関与している場合、現地法規制や情報開示義務、ガバナンスリスクが懸念されます。こうしたカントリーリスクを避けたい企業が増えており、データセンターの所在地が国内であるか、提供事業者が国内企業であるかは、重要な選定基準となっています。
料金で選ぶと失敗しやすい理由
最も安価なプランを選ぶと、導入後に「承認機能上長承認ワークフロー機能が必要」「IPアドレス制限がかけられない」といった問題が発生し、結局上位プランへの変更で割高になってしまうケースがあります。また、取引先からセキュリティ要件を指摘され、一部のプロジェクトで利用を禁じられてしまったり、サポートが日本語に対応していないといった予期しない問題が発生する可能性もあります。
クラウドストレージを選定する際は、「自社の要件を満たせるか」というフィルターを通過したサービス同士で比較するべきです。必要なセキュリティ機能、管理機能、サポート体制などをリストアップし、それらを標準で満たしているサービスの中から、最もコストパフォーマンスに優れたものを選ぶという手順が重要です。可能であれば、無料トライアルを活用して、実際の業務で使うであろう大容量ファイルを使って、これらの性能を実地でテストすることをお勧めします。
容量だけ見て選ぶと起こる問題
「容量無制限」を掲げるサービスでも、転送速度が遅かったり、ファイルプレビュー機能が貧弱だったり、検索性が低かったりすることがあります。容量と合わせて、「業務での使いやすさ(ユーザビリティ)」を必ず検証する必要があります。
特に、大容量ファイルを扱う場合は、転送速度がビジネスの生産性に直結します。実際の業務で使うであろう大容量ファイルを使って、転送速度やファイルプレビュー機能、検索機能が実務的に使えるか検証することが重要です。
容量選定時の検証ポイント
・実際の業務で使う大容量ファイルを転送して転送速度を検証
・ファイルプレビュー機能や検索機能が実務的に使えるか確認
・複数人での同時編集や権限管理が正常に動作するか検証
・モバイルアプリを使ったアクセス性能を検証
関連記事: 大容量ファイル送信サービスは安全?業務で利用する場合の注意点をご紹介!
外部共有を想定しないと後悔するケース
導入当初は「社内利用がメイン」と考えていても、ビジネスの過程で、取引先とのセキュアなファイル共有が必要になります。その際に、外部共有の機能が貧弱だと、大きな問題に発展しかねません。
クラウドストレージを選定する際は、「社外との安全なコラボレーション基盤」としての側面を必ず考慮に入れるべきです。現時点で明確な要件がなくても、将来的に必要になる可能性を見越して、リンクごとのパスワード、有効期限、ダウンロード回数、IPアドレス制限、ファイル送信時の上長承認ワークフロー、相手にアカウントを要求しないブラウザベースでの簡単なファイル送受信、ダウンロード追跡ログなどの高度な外部共有機能を持つサービスを検討することが賢明です。
無料版クラウドストレージと有料版クラウドストレージの違いと比較ポイント
手軽に使える無料クラウドストレージですが、ビジネスで利用しても問題ないのでしょうか。ここからは無料版と法人向けの有料版の根本的な違いを、機能、セキュリティ、サポート体制の観点から徹底比較します。
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①無料版クラウドストレージの特徴
無料版クラウドストレージは、主に個人が写真やドキュメントを手軽に保存・共有するために設計されています。提供される容量は数GBから15GB程度が一般的で、ビジネスで利用するには全く足りません。
容量が上限に達すると、それ以上ファイルを保存できなくなり、業務が滞ってしまいます。ビジネスで求められる高度な機能はほとんど提供されておらず、詳細なアクセス権限の設定、操作ログの監査、上長承認ワークフローといった内部統制に不可欠な機能は利用できません。
セキュリティレベルも低く、データの暗号化方式が最新でなかったり、不正アクセスを検知・防止する仕組みが不十分であったりする可能性があります。問題が発生しても、サポートはFAQページやコミュニティフォーラムに限られ、直接的なサポートを受けられないことがほとんどです。
②有料版クラウドストレージの特徴
法人向けの有料版クラウドストレージは、企業の厳しい要求に応えるために設計されており、無料版とは比較にならないほどの高機能と高信頼性を提供します。数百GB~無制限の容量、詳細な権限管理、監査ログ、承認ワークフロー、API連携など、ビジネスに必要な高度な機能が豊富です。
強力な暗号化、二要素認証、IPアドレス制限、ウイルス対策など、多層的なセキュリティ対策を実装しており、第三者認証も取得しています。電話、メールによる専門スタッフのサポート、導入支援や運用コンサルティングも提供されます。
サービス品質保証(SLA)が設定され、高い稼働率(例:99.9%以上)を保証しており、予告なく仕様変更やサービス停止することもありません。結論として、無料版と有料版は、単なる容量の違いではなく、設計思想そのものが根本的に異なります。法人での利用には、セキュリティと管理機能が充実した有料版が不可欠です。
おすすめクラウドストレージサービスの紹介
市場には多くのクラウドストレージサービスが存在します。以下ではそれぞれに特徴を持つ代表的な4つのサービスを取り上げ、その強みやどのような企業に向いているのかを具体的に紹介します。
Google Drive(Google Workspace)
Google DriveはGoogleドキュメント、スプレッドシート、スライドとのシームレスな連携が最大の強みです。複数人での同時編集機能は非常にスムーズで、リアルタイムでの共同作業に適しています。料金も比較的安価で、導入しやすい点が魅力です。一方、より厳格なガバナンスや業界特有のコンプライアンス要件を求める大企業にとっては、機能が限定的に感じられる場合があります。
OneDrive
OneDriveはWord、Excel、PowerPointといったMicrosoft 365アプリケーションとの親和性が非常に高いのが特徴です。使い慣れたデスクトップアプリの操作感を保ったままクラウド上で直接編集・保存・共有できます。Microsoft 365のビジネスプランには、多くの場合OneDriveのストレージが標準で含まれているため、追加コストなしで利用できる企業も多いでしょう。ただし、法人向けの高度なガバナンス機能が不十分に感じられることがあります。
box
boxは法人利用に特化して開発されたクラウドストレージサービスです。7段階の細かいアクセス権限設定、詳細な監査ログ、1,500以上の外部アプリケーションとの連携など、エンタープライズ向けの機能が豊富です。セキュリティの高さと豊富な管理機能を有しています。高機能である分、料金は高めに設定されています。また、特に利用者が増えるとコストが大幅に増加する傾向があります。
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外部共有設定時の注意点
クラウドストレージの外部共有機能は便利である一方、設定を誤ると情報漏えいのリスクがあります。特に、外部共有の公開設定を誤ったことで、機密情報が意図せず公開され、情報漏えいインシデントに発展した事例が報告されています。共有リンクのアクセス権限設定、パスワード保護、有効期限の設定などを厳格に管理し、定期的に共有状況を監査することが重要です。
GigaCC(日本ワムネット)
GigaCCは、日本企業の厳格なセキュリティ要件に応えるために設計された、純国産の法人向けクラウドストレージです。開発からデータセンター、サポートまで全てが国内で完結しており、海外の法制度(カントリーリスク)の影響を受けず、安心して機密情報を預けることができます。
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特徴:国産・法人向けの厳格な権限管理/ログ/外部共有に強い
GigaCCの最大の特徴は、日本企業の厳格なセキュリティ要件に応えるために設計された、きめ細やかな機能群です。管理権限とディレクトリ権限による多段階のアクセス権限設定に加え、「役職」や「所属」といった日本の組織構造に合わせた柔軟な権限グループを作成できます。「いつ、誰が、何をしたか」を追跡する監査ログは、最大200項目以上という業界トップクラスの詳細さを誇ります。
ファイル送信時の上長承認ワークフロー、共有相手に合わせたパスワード自動発行、IPアドレス制限など、社外とのファイル共有における情報漏えいリスクを徹底的に排除する機能が標準で備わっています。
メリット:機密データの社内外共有を安全に運用しやすい
これらの特徴により、GigaCCを導入する最大のメリットは、「契約情報、個人情報、設計図面といった企業の最重要データを、社内外を問わず、最高レベルのセキュリティを保ちながら安全に共有・活用できる」ことです。セキュリティを担保するために利便性を犠牲にするのではなく、高度なセキュリティと現場の使いやすさを両立させることで、全社的な情報ガバナンスの強化と業務効率の向上を同時に実現します。
料金:月額12,000円〜(10ID目安)+初期費用あり/詳細は要確認
料金プランは、企業の規模や用途に応じて柔軟に選択できます。基本となるSTANDARDプランは月額12,000円(10ID)から利用可能で、これに加えて初期費用50,000円(税別)が必要となります。この初期費用には、導入時の設定支援や管理者へのトレーニングなどが含まれており、スムーズな立ち上がりをサポートします。より高度な機能が必要な場合は、ADVANCEDプランやPREMIUMプランも用意されています。
ただし、外部共有を含めたセキュリティ要件が厳格である場合や、海外サービスでは日本の商習慣に合わない場合は、社内と外部共有で異なるサービスを使い分けることで、より最適なセキュリティレベルを実現できます。例えば、社内ではBoxなどの高機能なサービスを利用しながら、機密性の高いファイルを取引先と共有する際には、GigaCCのような国産で厳格なセキュリティ機能を備えたサービスを活用するといった使い分けが、実務的には効果的です。
まとめ
法人向けクラウドストレージは、もはや単なる「ファイル置き場」ではありません。それは、企業のデジタルトランスフォーメーションを支え、多様な働き方を実現し、そして最も重要な情報資産をあらゆる脅威から保護するための戦略的なIT基盤です。
選定においては、目先の料金や容量だけでなく、自社の業務内容や将来の事業計画を見据え、「セキュリティ」「管理機能」「使いやすさ」「サポート体制」といった多角的な視点から、長期的に安心して利用できるサービスを見極めることが重要です。
特に、機密性の高い情報を扱う企業や、厳格なコンプライアンスが求められる企業にとっては、GigaCCのような純国産で、日本の商習慣に精通し、手厚いサポートを提供するサービスが、最終的に最も高い投資対効果をもたらす可能性があります。ぜひ当社が提供するGigaCCの無料トライアルを活用し、実際の使い勝手を試してみることから始めてみてはいかがでしょうか。
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