
大容量ファイルや機密情報をやり取りする機会が増えるなか、法人では「ファイル転送サービス」の重要性が高まっています。メール添付では容量やセキュリティに限界があり、無料の転送手段では管理や統制に不安を感じるケースも少なくありません。
一方で、ファイル転送サービスを比較しようとすると、機能や用語が多く「何を基準に選べばよいのか分からない」という声も多く聞かれます。本記事では、サービス名の比較ではなく、法人が押さえるべき判断軸や必要な機能、セキュリティ要件を整理し、失敗しないファイル転送の考え方を解説します。
この記事でわかること
・法人向けファイル転送サービスの基本的な役割と必要性
・無料サービスと有料サービス、クラウドストレージとの違い
・セキュリティ、管理機能など、サービス選定で比較すべき具体的なポイント
・PPAP問題や誤送信、ランサムウェア対策としての有効性
・導入で失敗しないための準備と注意点
ファイル転送サービスとは
ファイル転送サービスとは、メールに添付できない大容量データ(動画・画像・大容量書類など)を、インターネット経由で安全かつ手軽に送受信できるオンライン上のサービスです。
ビジネスで大容量のデータを扱う機会が増え、ファイル転送サービスは不可欠なツールとなりつつあります。
ファイル転送サービスの定義と役割
送信者はサーバーにファイルをアップロードし、受信者は発行されたURLからダウンロードすることで、安全かつ効率的にデータをやり取りできます。
なぜ法人でファイル転送サービスが求められるのか
法人においてファイル転送サービスの必要性が高まっている背景には、主に3つの理由があります。
- データの大容量化への対応
- セキュリティ要件の厳格化
- 働き方の多様化への対応
これらの要因により、従来のメール添付や無料サービスでは対応しきれない、法人向けの専門的なファイル転送サービスが求められるようになっています。
関連記事: ファイル送信サービスのおすすめを紹介!無料のサービスや法人向けも比較
法人がファイル転送サービスを利用するメリット
法人がファイル転送サービスを導入することで得られるメリットは多岐にわたります。ここでは代表的な4つのメリットを解説します。
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大容量ファイルを安全かつ確実に送れる
メール添付では10MB〜25MB程度が上限ですが、ファイル転送サービスを利用すれば、数GB〜数十GBといった大容量ファイルでも確実に相手に届けることができます。製造業の設計データ、広告業界の動画素材、建設業界の図面データなど、大容量ファイルを日常的に扱う業界では、業務効率の大幅な向上につながるというわけです。
また、ファイルサイズを気にすることなく送信できるため、圧縮や分割といった手間も不要になり、さらに、転送の途中で通信が切断された場合でも、再開機能により最初からやり直す必要がないサービスもあります。
セキュリティ対策を前提とした運用ができる
法人向けのファイル転送サービスは、通信経路とサーバー上のファイルの両方を暗号化し、不正アクセスやデータ漏えいのリスクを最小限に抑えます。IPアドレス制限、二要素認証、ウイルスチェックといった多層的なセキュリティ機能により、企業の情報資産を守ります。
特に、個人情報や機密情報を扱う企業にとっては、これらのセキュリティ機能は必須の要件となります。また、ファイルへのアクセスを特定の期間や回数に制限することで、情報の拡散リスクを抑制できます。
操作ログ・証跡によりガバナンスを効かせられる
法人向けサービスでは、「誰が」「いつ」「どのファイルを」「誰に送ったか」といった詳細な操作ログが自動的に記録されます。万が一の情報漏えいインシデント発生時に、原因究明や影響範囲の特定を迅速に行うことができるというわけです。
また、内部監査や外部監査への対応においても、証跡として提出できるため、コンプライアンス体制の強化にも貢献します。J-SOXやISMSなどの認証取得・維持においても、操作ログの記録は重要な要件となっています。
取引先・社内双方の利便性が向上する
送信者はWebブラウザ上でファイルをアップロードし、URLを相手に送るだけで完了します。受信者は特別なソフトウェアをインストールすることなく、URLをクリックするだけでファイルをダウンロードできます。
取引先にアカウント登録を求める必要がないため、相手方の負担を最小限に抑えながら、スムーズなファイルのやり取りが実現します。メールでのやり取りと比較して、送信完了やダウンロード完了の通知機能により、ファイルの受け渡し状況を確実に把握できる点も大きなメリットです。

ファイル転送サービスの主な機能
ファイル転送サービスには、単なるファイルの送受信にとどまらない、多様な機能が備わっています。ここでは主要な機能を解説します。
アップロード・ダウンロード機能
ファイル転送サービスの基本となるのが、ファイルのアップロードとダウンロード機能です。Webブラウザ上で直感的に操作でき、ドラッグ&ドロップでファイルをアップロードできるサービスが一般的です。
複数ファイルの一括アップロードや、フォルダごとのアップロードに対応しているサービスもあります。大容量ファイルの転送時には、転送の進捗状況がリアルタイムで表示され、残り時間の目安も確認できます。
大容量ファイル対応とその受渡し
法人向けサービスでは、1ファイルあたり数GB〜数十GB、場合によっては100GBを超えるファイルにも対応しています。大容量ファイルの「受渡し」という観点では、単に送信できるだけでなく、相手側からも返信できる双方向のやり取りが可能かどうかも重要なポイントです。例えば、GigaCCの「返信URL機能」を活用すれば、受取用URLとともに相手が返信できるURLも同時に送付できるため、「修正版ファイルがメール添付で返ってくる」といった非効率な運用を防ぎ、ファイルのやり取り全体をセキュアに完結させることができます。
アクセス制御(パスワード・有効期限)
ダウンロードURLにパスワードを設定することで、URLが第三者に漏れた場合でも、パスワードを知る者のみがファイルにアクセスできます。有効期限やダウンロード回数の制限も設定可能で、一定期間経過後や指定回数ダウンロード後に自動的にアクセスを無効化することが可能です。これらの機能により、ファイルの不正利用や意図しない拡散を防止できるメリットがあります。
操作ログ・証跡管理
ユーザーのログイン履歴、ファイルのアップロード・ダウンロード履歴など、あらゆる操作が時系列で記録されます。監査法人や規制当局からの要求に応じて、証跡を提出することも容易です。ログの保存期間や検索機能も、サービス選定の重要なポイントとなります。CSVやExcel形式でのエクスポート機能があると、社内での分析や報告にも活用できます。
通知・自動削除などの管理機能
ファイルがアップロード・ダウンロードされた際に、送信者や管理者にメール通知が届く機能があります。一定期間経過後に自動的に削除する機能も提供されており、不要なファイルの蓄積を防ぎ、セキュリティリスクを低減。また、ダウンロードされていないファイルについてリマインド通知を送る機能も、業務を確実に遂行する上で役立ちます。
APIや他システムとの連携
業務システムやワークフローツールとの連携を可能にするAPIを提供しているサービスもあります。基幹システムから自動的にファイルをアップロードするなど、高度な自動化が実現します。RPAツールとの連携により、定型的なファイル送信業務を自動化することも可能です。Active DirectoryやSAMLによるシングルサインオン連携も、大企業での導入において重要な機能です。
【比較軸】法人利用で本当に差が出るファイル転送サービスの機能とは

ファイル転送サービスを比較する際、法人利用において本当に差が出るのは、以下の4つの機能軸です。
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① セキュリティ機能の違い
通信・保存時の暗号化は、ファイル転送における最も基本的なセキュリティ要件です。通信経路はSSL/TLSで暗号化され、サーバー上のファイルもAES256などの強力な暗号化方式で保護されているかを確認します。
IPアドレス制限やログイン時の二要素認証といったユーザーの利用におけるセキュリティ、ファイルの意図しない拡散リスクを抑制する、送信先によるダウンロード制限(回数・期間)機能、ウイルスチェック機能なども重要なポイントとなります。
② 誤送信・事故対応機能
送信後のURL無効化機能は、誤送信に気づいた際に、相手がダウンロードする前にURLを無効化できる重要な機能です。閲覧専用設定により、ダウンロードを禁止し、ブラウザ上での閲覧のみを許可することで、ファイルの二次利用を防ぎます。
承認フローの有無も重要で、上長の承認を経てから送信される仕組みがあれば、誤送信のリスクを大幅に低減。送信前チェック機能では、宛先や添付ファイルの確認画面が表示され、送信前に内容を再確認できます。
③ 管理・統制機能(法人利用で最重要)
操作ログの取得範囲は、どこまで詳細なログが記録されるかを確認します。管理者による一元管理では、全ユーザーの利用状況を一元的に把握・管理できるかが重要です。グループ・部署単位の権限設定により、部署ごとに異なる利用ルールが設定可能。監査・内部統制対応では、J-SOXやISMSなどの要件に対応したログ出力や証跡管理ができるかを確認します。
④ 運用・管理のしやすさ
情報システム部門における導入後の運用にどの程度の工数がかかるかを見積もります。ユーザー教育の必要性では、操作が直感的で、マニュアルなしでも利用できるかを確認します。管理画面の操作性も重要で、管理者が日常的に利用する画面が使いやすいかどうか、サポート体制では、トラブル発生時の問い合わせ窓口や対応時間を確認します。
ファイル転送サービスを選ぶ際の判断軸
ファイル転送サービスを選定する際には、機能だけでなく、企業の要件や運用体制に照らし合わせて、総合的に判断することが重要です。
法人のセキュリティ要件を満たせるか
自社の情報セキュリティポリシーや、遵守すべき業界のガイドライン、法規制(個人情報保護法、GDPRなど)との整合性を確認することが第一歩です。データの保存場所が国内か海外か、第三者認証(ISMS、プライバシーマーク、ISMAPなど)を取得しているかも重要な選定基準となります。
金融業界や医療業界など、特に厳格なセキュリティ要件が求められる業界では、業界固有のガイドラインへの対応状況も確認が必要です。また、データセンターの所在地や、バックアップ体制、災害対策なども確認しておくと安心です。
取引先を含めて無理なく使えるか
ファイル転送サービスは、ファイルを受け取る取引先や顧客がいて初めて成り立つサービスです。相手方がアカウント登録不要で利用できるか、Webブラウザだけで完結するか、操作が直感的で分かりやすいかを確認します。
ITリテラシーが高くない取引先でも、説明なしで利用できるUIであることが重要です。また、スマートフォンやタブレットからもアクセスできるか、海外の取引先が利用する場合の多言語対応なども確認しておくとよいでしょう。
管理者が統制・監査しやすいか
管理者が全ユーザーの操作ログを一元的に検索・閲覧・保存できるか、部署やグループ単位で柔軟な権限設定ができるか、監査法人など第三者からの要求に応じて提出できる形式でログをエクスポートできるかを確認します。ダッシュボードで利用状況を可視化できる機能があると、運用管理の効率が向上します。
また、不正利用や異常な利用パターンを検知してアラートを発する機能があると、セキュリティインシデントの早期発見に役立つでしょう。
容量と転送速度のバランス
自社で扱うファイルのサイズに対応できる容量制限があるか、大容量ファイルを送受信する際の転送速度が十分に速いかを確認します。動画ファイルやCADデータなど、数GB〜数十GBのファイルを日常的に扱う場合は、転送速度が業務効率を大きく左右します。
また、同時に複数のファイルを転送する場合のパフォーマンスや、ピーク時の安定性なども確認しておくとよいでしょう。
クラウド事業者とサービスの信頼性
サービス提供事業者の実績や信頼性、稼働率を保証するSLA(サービス品質保証制度)が定められているか、障害発生時のサポート体制が整っているかを事前に確認しておくのも重要です。長期的に利用するサービスであるため、事業者の財務状況や事業継続性も考慮に入れましょう。また、過去の障害履歴や、障害発生時の対応実績なども参考になります。
運用コストとTCOを見通せるか
初期費用、月額費用、ユーザー数に応じた従量課金など、料金体系を正確に把握し、自社の利用規模に照らし合わせて総コスト(TCO)を見積もることで、長期的に利用できるか判断する材料になります。将来的なユーザー数の増加や利用量の拡大も見据えて、スケーラビリティのある料金体系かどうかも確認しましょう。
また、導入時のトレーニング費用や、運用時のサポート費用なども含めて総合的にコストを評価することが重要です。
関連記事: 法人が選ぶべきファイル送信サービスとは?無料サービスとの違いとチェックポイントを解説
【企業規模別】ファイル転送サービスの使われ方と選定ポイント
ファイル転送サービスのニーズは、企業規模によっても異なります。ここでは企業規模別の特徴と選定ポイントを解説します。
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中小企業(〜100名)
中小企業では、情報システム部門が不在または小規模であることが多く、導入が簡単で、運用負荷が低いサービスが求められます。初期設定が最小限で済む、ユーザー追加や権限設定が直感的に行える、トラブル時のサポートが充実している点が重要です。
コスト面でも、少人数から利用できるプランがあるかを確認しましょう。また、専任の管理者がいなくても、現場の担当者が運用できるシンプルさが求められます。
中堅企業(100〜1,000名)
中堅企業では、複数の部署や拠点があり、部署単位での権限管理や、柔軟な運用ルールの設定ができるサービスが求められます。グループや部署ごとに異なる権限を設定できる、利用状況をダッシュボードで可視化できる機能が重要です。
承認フローの設定や、部署ごとの利用ポリシーの適用ができるかも確認しましょう。また、既存の社内システムとの連携や、Active Directoryとの統合なども検討ポイントとなります。
大企業・グループ企業
大企業やグループ企業では、数千人〜数万人規模のユーザーが利用し、大規模運用に対応した高度な管理機能と、グループ全体でのガバナンス統制ができるサービスが求められます。Active DirectoryやSAMLによるシングルサインオン連携、APIによる基幹システムとの連携、グループ会社間での統合管理機能などが重要な選定ポイントとなるでしょう。
また、グローバル展開している企業では、海外拠点からのアクセスや、多言語対応なども考慮が必要です。
企業規模別の選定ポイントを整理すると、以下の表のようになります。
| 企業規模 | 重視すべきポイント | 必要な機能 |
|---|---|---|
| 中小企業 | 導入の簡単さ・コスト | 基本的なセキュリティ、サポート |
| 中堅企業 | 部署別の権限管理 | 承認フロー・ログ管理・ダッシュボード |
| 大企業 | 大規模運用・統制 | API連携・SSO・監査対応 |
【部署別】ファイル転送サービスの使い方と必要機能
ファイル転送サービスのニーズは、部署の業務内容によって大きく異なります。ここでは部署別の特徴と必要機能を解説します。
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バックオフィス部門(経理・人事・法務)
経理、総務、人事といったバックオフィス部門は、従業員の個人情報や給与データ、契約書など、極めて機密性の高い情報を扱います。内部やグループ企業とのやり取りが中心で、個人情報・機密情報が多いため、閲覧制限、ログ管理、誤送信対策が必須機能となるでしょう。
特に、ダウンロード禁止の閲覧専用設定や、送信前の承認フローが重要です。また、税理士や社労士など、外部の専門家とのやり取りにおいても、セキュアな環境が求められます。
営業部門・外部向け部門
営業部門やマーケティング部門は、顧客・取引先との頻繁なファイル送信があり、スピードと安全性の両立が必要です。URL共有、期限・DL制限、説明不要で使えるUIが必須機能となります。取引先がアカウント登録なしで利用できること、スマートフォンからもアクセスできることが重要です。
また、提案書や見積書など、営業活動に必要な資料を迅速に共有できることが、商談のスピードアップにつながります。
開発・技術部門
製造業の設計部門やIT企業の研究開発部門では、大容量ファイルを社外パートナーとの連携で扱います。容量制限の柔軟性、バージョン管理、アクセス権限管理が必須機能となるでしょう。数GB〜数十GBのファイルを高速に転送できること、プロジェクト単位でのアクセス権限管理ができることが重要です。
また、CADデータや設計図面など、知的財産に関わるファイルを扱うため、厳格なセキュリティ管理が求められます。
部署別の用途と必須機能を以下、表で整理してみました。
| 部署 | 主な用途 | 必須機能 |
|---|---|---|
| バックオフィス | 機密情報の共有 | 閲覧制限・ログ管理・承認フロー |
| 営業部門 | 顧客への資料送付 | URL共有・期限設定・簡単なUI |
| 開発部門 | 大容量データ連携 | 容量柔軟性・権限管理・高速転送 |
無料ファイル転送サービスでは不十分な理由

無料のファイル転送サービスは手軽に利用できる一方で、法人利用には多くのリスクが伴います。ここでは具体的な理由を解説します。
セキュリティ・管理機能が限定的になりやすい
無料サービスの多くは、通信の暗号化が不十分であったり、IPアドレス制限や二要素認証といった高度なアクセス制御機能が提供されないことが一般的です。また、操作ログの取得や管理者による一元管理機能がないため、誰がどのファイルを送信したかを追跡することができません。万が一、情報漏えいが発覚した際に、原因究明や影響範囲の特定が困難になります。
容量や機能だけで選ぶと運用に耐えない
無料サービスは、転送速度が遅かったり、ファイルの保存期間が極端に短い(例:24時間)場合もあり、業務での継続的な利用には適しません。広告が表示されるサービスも多く、取引先に送信する際のビジネスイメージにも影響します。また、サービスの安定性や可用性が保証されていないため、重要な業務に支障をきたす可能性があります。
メール添付との併用で運用が複雑化する
無料サービスを導入しても、容量制限や機能不足により、結局メール添付と併用せざるを得ないケースが多く、運用が複雑化します。どのファイルをどの方法で送信するかの判断が現場任せになり、セキュリティリスクが高まるのと同時に、統一されたルールがないと、部署や担当者によって異なる方法が使われ、管理が困難になるでしょう。
ルールや統制がなく形骸化しやすい
無料サービスでは、管理者による一元管理機能がないため、誰がどのようにサービスを利用しているかを把握することが困難です。利用ルールを定めても、遵守状況を確認する手段がなく、形骸化しやすい傾向があります。また、サービス提供者の都合で突然サービスが終了するリスクもあり、ビジネスの継続性に影響を与える可能性も否めません。
無料サービスが抱える主なリスクをまとめると、以下の4点に集約されます。
- セキュリティ対策が不十分
- 管理・監査機能の欠如
- 運用ルールの形骸化
- サービス継続性の不安
ファイル転送サービスを導入する前に整理しておくべきポイント
ファイル転送サービスを導入する際には、自社の状況や目的を事前に整理しておくことが重要です。
利用目的とファイルの種類
「誰が」「誰と」「どのようなファイルを」やり取りするためにサービスを導入するのかを具体的に定義します。利用目的が明確になることで、必要な機能やセキュリティレベルの要件が見えてくるでしょう。扱うファイルの種類(個人情報、機密情報、一般的な資料など)によって、求められるセキュリティレベルも異なります。また、ファイルのサイズや転送頻度も把握しておくと、適切なプランの選定に役立ちます。
取引先の利用環境・ITリテラシー
ファイルを受け取る取引先や顧客の利用環境やITリテラシーを考慮することも重要です。Webブラウザだけで完結するか、ITリテラシーが高くない相手でも簡単に利用できるかを確認しましょう。取引先にアカウント登録を求める必要があるサービスは、導入のハードルが高くなるため、取引先が利用しているセキュリティソフトやファイアウォールとの相性なども確認しておくとよいでしょう。
社内ポリシー・コンプライアンス要件
自社で定めている情報セキュリティポリシーや、遵守すべき業界のガイドライン、法規制との整合性を確認することも不可欠です。データの保存場所(国内/海外)、暗号化方式、ログの保存期間など、ポリシーで定められた要件を満たすサービスを選定しましょう。また、取引先から求められるセキュリティ要件がある場合は、それも考慮に入れる必要があります。
管理者・責任範囲の明確化
サービス導入後の運用を誰が担当するのか、その責任範囲を明確に定めておくことも重要です。情報システム部門が主管するのか、各部署で管理するのか、運用体制を事前に決めておくことで、スムーズな導入と運用が実現します。また、トラブル発生時の対応フローや、問い合わせ窓口なども事前に整備しておくことが望ましいです。
法人向けファイル転送サービスに関してよくある質問
ここでは、ファイル転送サービスの導入を検討している企業の担当者からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
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Q1. 無料サービスではなぜ法人利用が危険なのですか?
無料サービスは、セキュリティリスク(暗号化不十分)、管理・統制のリスク(監査ログ機能なし)、ビジネス継続性のリスク(予告なくサービス終了の可能性)という3つの大きなリスクが伴います。特に、無料サービスでは利用規約上、法人利用が禁止されているケースも多く、万が一の情報漏えい時に損害賠償や補償を受けられない可能性があるでしょう。法人として責任ある情報管理を行うためには、有料の法人向けサービスを選定することが推奨されます。
Q2. ファイル転送とクラウドストレージの違いは?
両者は主な目的が異なります。具体的な違いを表で整理すると、以下のようになります。
| 比較項目 | ファイル転送サービス | クラウドストレージ |
|---|---|---|
| 主な用途 | 一時的なファイル送受信 | 継続的な保管・共有 |
| 保存期間 | 短期間(数日〜数週間) | 長期間(無期限) |
| 共同編集 | 非対応 | 対応 |
| 適した場面 | 取引先への納品物送付 | チーム内での資料共有 |
Q3. 誤送信した場合、どこまで被害を防げますか?
送信後のURL無効化機能により、相手がダウンロードする前にURLを無効化できます。閲覧専用設定により、機密情報の二次利用を防ぎます。また、送信前の承認フローを設定することで、誤送信自体を未然に防ぐことも可能です。
Q4. グループ企業間でも安全に使えますか?
法人向けサービスでは、グループ企業ごとに独立した管理領域を設けられる機能や、グループ全体での監査ログを一元管理できる機能を備えています。グループ間でのセキュリティポリシーの統一と、個社ごとの柔軟な運用を両立できます。
Q5. 情報システム担当者がいなくても運用できますか?
中小企業向けのサービスでは、導入が簡単で、運用負荷が低いサービスが提供されています。オンラインマニュアルやFAQが充実しているサービスを選ぶことで、現場の担当者が自力で問題を解決できます。
Q6. 外部の取引先にアカウントを発行する必要はありますか?
多くの法人向けサービスでは、受信者がアカウント登録不要でファイルをダウンロードできる「ゲストアクセス」機能を提供しています。取引先の負担を最小限に抑えながら、セキュアなファイル共有が可能です。
Q7. ランサムウェア対策としても有効ですか?
ウイルスチェック機能により、マルウェアに感染したファイルが社内ネットワークに持ち込まれるのを防ぎます。ファイルの保存期間を設定し、一定期間経過後に自動削除する機能も有効です。
Q8. PPAP対策として使えますか?
ファイル転送サービスは、PPAP(パスワード付きZIPファイルをメールで送る方式)の代替手段として最適です。通信経路とサーバー上のファイルの両方を暗号化し、操作ログも記録できます。
関連記事: PPAP対策が進む理由とは?リスクを避けるために今すぐ取り入れるべき代替策
Q9. 導入時に社内でよく起きる失敗は?
利用目的が明確でないまま導入してしまうケースや、取引先の利用環境を考慮せずにサービスを選定してしまうケースがあります。また、現場への周知が不十分で、導入後も従来のメール添付や無料サービスが使い続けられてしまうケースも少なくありません。導入前に、自社の状況や目的を事前に整理し、利用ルールの策定と周知徹底を行うことが重要です。
法人向けファイル転送にGigaCCが選ばれる理由
ここでは、法人向けファイル転送サービスとして多くの企業に選ばれているGigaCCの特長について解説します。
大容量ファイルを安全に送受信できる仕組み
GigaCCは、1ファイル100GBの大容量ファイルに対応しており、通信経路とサーバー上のファイルの両方を暗号化し、不正アクセスやデータ漏えいのリスクを最小限に抑えます。製造業の設計データや広告業界の動画素材など、大容量ファイルを日常的に扱う企業でも、ストレスなくファイルのやり取りが可能です。
アクセス制御・期限・操作ログによる統制
送信者側のセキュリティとして、IPアドレス制限や二要素認証によるログイン制御、送信時の上長承認、送信先アドレスの制限(ドメインのブラックリスト・ホワイトリスト・アドレス帳による宛先制限)など、多層的なアクセス制御機能を備えています。また、ダウンロード回数制限や有効期限の設定により、受取後の意図しないファイル拡散を防止します。詳細な操作ログが自動的に記録され、受取時のIPアドレス取得も可能なため、正しい相手先での受取が行われたかの確証を得ることができます。送信後のURL無効化機能も提供されています。
社外、取引先とのやり取りを現場で回せる使いやすさ
シンプルで直感的なインターフェースを提供しており、受信者はアカウント登録不要でファイルをダウンロードできます。スマートフォンやタブレットからもアクセス可能で、モバイル環境では専用アプリを利用することで、ファイル共有機能によるファイルの受け渡しが可能です。
法人に求められるガバナンスへの対応
GigaCCは、200項目以上の検索項目で詳細なログ検索が可能で、有事の際に該当ファイルの特定がスピーディーに行えます。また、オプション機能を利用することで、送信・共有されたファイルを別領域に全件バックアップすることも可能で、監査法人など第三者への履歴ログ提出もCSV形式で対応できます。
サービス提供事業者である日本ワムネットはISMS(ISO/IEC 27001)、プライバシーマークを取得し、GigaCCサービス自体もISMSクラウドセキュリティ認証を取得しています。金融機関や官公庁など、厳格なセキュリティ要件が求められる組織での導入実績も豊富で、法人が安心して利用できる信頼性を備えています。
まとめ
ファイル転送サービスは、法人のビジネスにおいて不可欠なツールとなっています。サービスを選定する際には、セキュリティ機能、管理・統制機能、運用負荷、コストなど、多角的な視点から総合的に判断することが重要です。自社の業務内容や企業規模、部署ごとのニーズを事前に整理し、最適なサービスを選定することで、導入後のスムーズな運用と、ビジネスの効率化を実現できます。



