GigaCC

「GigaCCを利用しはじめてもうすぐ10年。研究科内での機密ファイルの共有をはじめ、採用応募書類の受け取り、大容量ファイルの送信などに利用しています」

東京大学大学院 新領域創成科学研究科

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東京大学大学院 新領域創成科学研究科

東京大学大学院 新領域創成科学研究科(以下 新領域創成科学研究科)では、秘匿性の高いファイルを安全に共有するためにGigaCC ASP(以下、GigaCC)を導入。
外部との資料データの授受にも活用しています。
GigaCC導入の経緯や活用方法について新領域創成科学研究科 情報システム室 特任助教 小野 悟氏(写真)に詳しく伺いました。

住所 千葉県柏市柏の葉5-1-5
代表者 研究科長 須田 礼仁
設立 1998年4月

会議資料などの安全な保管・共有や採用書類の受け取りなどにGigaCCを利用

新領域創成科学研究科におけるGigaCCの利用状況について教えてください。

当研究科では、2011年4月よりGigaCCを利用しています。契約アカウント数は400。原則、当研究科内の職員と教員が対象となります。

どのような用途に利用しているのでしょうか。

現在は、「外部からのファイルの受け取り」、「会議資料などの安全な保管・共有」、「外部へのファイル転送」という、3つの用途でGigaCCを利用しています。

詳細は次の通りです。

【用途1】外部からのファイルの受け取り
教員の公募業務において応募者から必要書類を受け取る際に、エントリーサイトにGigaCCの「公募用URL」を掲載し、ファイルをアップロードしてもらっています。
受け取ったファイルはそのままGigaCC上で保管し、閲覧権限がある関係者間で共有しています。
【用途2】機密資料の安全な保管・共有
当研究科では、教職員から構成される各種の委員会を多数運営しています。
委員会や会議で使用される会議資料をGigaCC上で保管・共有しており、委員会を開催する際の資料の配布や閲覧に利用しています。
【用途3】外部へのファイル転送
GigaCCを使用することは強制ではないのですが、メールで送信できない大容量データを送信する際や、容量に関係なく機密性の高い資料などのファイルを外部へ送信する際にも、GigaCCを利用しています。

今後の利用予定などがあれば教えてください。

新型コロナウィルス感染症流行の影響で、大学院入試出願希望者の出願書類の受取りを電子申請で実施する取り組みを検討しており、GigaCCの招待機能と収集機能を組み合わせることによって実現しようとしています。

具体的な流れは次の通りです。
1 氏名、メールアドレス、出願専攻といった出願する学生の基本情報をGigaCCの収集機能を用いてアップロード
2 氏名と同名の招待用ディレクトリを作成
3 当該ディレクトリにメールアドレスを通じて招待メールを送付
招待用ディレクトリは、招待した学生だけが一定期間アクセスできるため、個人情報に相当する出願書類を安全にアップロードしてもらえると考えています。

10年近くご利用いただいていますが、他のサービスへのリプレースなどを検討したことはありますか。

使い勝手に優れ、ファイルを送受信するのも簡単な操作で済むので、現時点では別のサービスへと変更する予定はありません。

また、オンラインストレージサービスと言っても、新しく提供されるサービスは個人で利用するようなサービスが多く、組織的にアクセスコントロールなどを管理できるサービスがほとんどで、GigaCCのリプレースに値するようなものは見つけられていません。

ペーパーレス化が促進され、約39万枚の紙媒体を削減

GigaCCを導入した効果について教えてください。
GigaCCを導入する以前は写真や動画などの大容量データのやり取りには手間と時間がかかっていましたが、GigaCCを利用するようになり、安全かつ簡単にデータの共有ができるようになりました。

またセキュリティに関して、最新の資料ファイルがオンライン上に保管されているので、ローカルディスクにファイルを保管する必要がなくなり、PCの盗難や紛失などによる情報漏えいのリスクも低減することができました。

紙の資料で対応していたときは、手間も時間もコストもかかっていました。
GigaCCを使って資料を共有することで、資料データを各自のPCから閲覧できるのでペーパーレスで会議を進められるようになり、紙資料の取り扱いによる情報漏えいや紛失のリスクも低減されました。

ペーパーレスに関しては、導入初年度には年間で約39万枚の紙媒体が削減され、省資源、省コスト、高セキュリティへの取り組みが学内で高く評価され、「2011年度 東京大学業務改革理事賞」を受賞しています。

外部からのファイルの受け取りに関しても、従来は紙媒体の応募書類を送ってもらい、それをバインダーなどにまとめて保管した上で、教職員へコピーを配布していました。
GigaCCで受け取るようになったことで、管理・取り扱いに関する負荷が軽減されましたし、そのままファイルを関係者間で簡単かつ安全に共有できます。 ファイルを受信の履歴が残るので、メールや郵送のように送ったはずの書類が届いていないといったトラブルも解消されました。

また、運用に関しても、一時的なメンバー交代やオブザーバーなどは、管理者がアクセスコントロールを設定するのではなく、メンバー自身がファイル送信で一時的に対応できるようになりました。
送信したファイルは使用後に削除してもらっていますが、送信時に暗号化されていることが機密情報の取り扱いに関する意識付けにつながっていると考えています。

システムを管理する側からすると、加えて、このようなファイル共有環境を少ないコストと手間で導入し、保守運用の手間もかからないというのも導入効果の一面だと捉えています。

機密情報を安全かつ組織的に共有する方法を模索

GigaCCを導入した経緯を教えてください。

各種委員会で扱われる機密性の高い資料を安全に保管・共有したいと考えたことが、GigaCCのようなファイル共有サービスの導入を検討するきっかけとなりました。

当研究科は、東京大学の柏キャンパス(千葉県柏市)に拠点を構えていますが、「赤門」のある本郷キャンパス(東京都文京区)と行き来をする教員も多く、拠点間のやり取りにはテレビ会議を頻繁に利用しています。そのため、本郷、駒場、柏の各キャンパス間において、セキュアにドキュメントへとアクセスできる環境が求められていました。

学内のイントラ上にファイルサーバーを設けてファイルを保管・共有する方法もあるかと思いますが、なぜ別途、ファイル共有サービスを導入する必要があったのでしょうか。

ファイルサーバーはアクセスコントロールが面倒です。委員会のメンバーは、プロジェクトごとに部署や役職などがバラバラで、頻繁に担当者が変わることも少なくありません。そのため、厳密にアクセスコントロールをしようとすれば、運用が複雑化してしまい、担当者への負荷が増大してしまいます。そのため、より便利で、できるだけコストのかからない手段を探しました。

一方、当研究科ではグループウェアを利用しており、グループウェア内でもファイルを共有することは可能です。しかし、グループウェアの場合、広く情報を告知するのには適しているのですが、アクセスを厳密にコントロールして、安全に共有するのには向いていません。

利用者にとっても、管理者にとっても使いやすく運用負荷がかからないことが要件

ファイル共有サービスを検討・選定したときの要件を教えてください。

「セキュリティがしっかりしていること」、「利用者にとって使いやすいこと」、「管理者にとって運用負荷がかからないこと」、「コスト負担が低いこと」が、サービス選定の要件でした。

【選定理由1】セキュリティがしっかりしている
セキュリティというのは、2つの意味があります。1つは、外部からの不正アクセスを防ぎつつ、正規の利用者は学校内外で手間をかけず必要な情報へとアクセスするためのセキュリティ。もう1つは、許可された情報にだけアクセスできるというアクセスコントロールによるセキュリティです。

【選定理由2】利用者にとって使いやすい
利用者はPCに関するスキルもバラバラですし、Mac系、Windows系、UNIX系など利用するプラットフォームの種類もバラバラです。そのため、だれにでも使いやすく、プラットフォームの種類を問わないということも必須要件でした。

【選定理由3】管理者にとって運用負荷がかからない
運用管理者は少数精鋭、かついくつかの業務を兼務しながらシステムの運用を担っています。そのため、導入・構築および運用管理の負担が少ないこと、特にアクセスコントロールの設定・変更が容易なことはとても重要な要件となります。検討時から決めていたわけではありませんが、ASPやクラウドのようにサービスとして利用できるものが理想的だと考えていました。

【選定理由4】コスト負担が低い
大がかりなオンプレミスシステムインフラを設計・構築・導入して、ハードウェアやソフトウェアの保守運用を学内で行うとなると、手間もコストもかかります。「運用負荷」と同様、ASPやクラウドのようにサービスとして利用できるものを採用することで、初期導入コストおよび保守運用コストを抑えることができれば良いと考えていました。

機能面だけでなく、日本ワムネットの対応も高く評価

GigaCCの採用を決めた理由を教えてください。

GigaCCを含め数社のサービスを検討しました。機能面や使い勝手に関して、次のポイントがGigaCCを採用した理由となります。

商用のクラウド型ストレージサービスとして機能が充実している。
サービスとして利用できるので、インフラの初期構築や保守運用不要。迅速に導入できる。
使い勝手に優れ、特別な操作をしなくても安全にファイルを共有できる。
インターネットとWebブラウザが利用できれば、デバイスや場所を問わない。
WebDAVに対応しているので、SSLによるセキュアな環境下でリモートディスクのようにも操作できる。
表計算データを用いて、アカウント情報の一括登録・管理ができる。
管理者側で一元的にシステムをコントロールできる。
ファイル転送機能が充実している。
権限を委譲した代理機能が利用できる。
これらの機能面での要素に加え、次のような日本ワムネットの対応も高く評価し、採用を決めました。

日本ワムネットの担当者が柏キャンパスまで出向いてくれて、とても丁寧に説明をしてくれたので、信頼関係を早期に構築できた。
当研究科からの多様な要望に対して、迅速に相談に乗ってもらえた。

GigaCCおよび日本ワムネットへの評価・期待

GigaCCおよび日本ワムネットへの評価と期待をお聞かせください。

GigaCCは日本ワムネットの主力製品であり、多種多様なサービスを展開するベンダーと比べて品質や信頼性の高いサービスを提供してくれると期待しています。

また、様々な企業から機能や品質の向上を求められていると思いますので、その分、優れたサービスを提供してくれるという期待もしています。

以前、一時的にディスク使用容量が契約容量を超えたときも、柔軟に対応していただきとても助かりました。今後も、よりセキュアで、利便性と信頼性の高いサービスを提供し続けてください。

東京大学大学院 新領域創成科学研究科について
新領域創成科学研究科は、新しい学問領域を創出することを目指して1998年に設置されました。
現在は、基盤科学研究系、生命科学研究系、環境学研究系に属する11専攻と、全系にまたがるサステイナビリティ学グローバルリーダー養成大学院プログラムという特徴のある教育プログラムから構成されています。
豊かな緑と先進的な都市機能を融合させた未来指向都市の中核をなすキャンパス(千葉県柏市)の中で、新天地の開放感を享受しながら成長を続けています教員214名余、大学院学生1,474名余が在籍。

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