コロナ禍の中、世界規模であらゆる経済活動が危機に直面。鎖国状態と言っても過言ではない出入国規制などが続く中で、グローバルサプライチェーンを展開する企業では、海外の拠点や取引先と、図面データや商品情報、基幹システムデータといったファイルをやり取りする機会やボリュームが急増しています。
しかしながら、日中間のファイル転送には「遅い」「途切れる」といった不確実性が常識となっており、コロナ禍でファイルのやり取りが増えるにしたがって、その影響が日中ビジネスの足かせとなりかねない状況も見られるようになってきました。
日本よりもインターネットの利用が発展していると言われる中国。その中国とのファイル送信がなぜ不安定なのか。その背景には、いくつかの要因があると言われています。
その1つとして挙げられるのが、「グレートファイアウォール(金盾)」の存在です。グレートファイアウォールは、中国政府によるインターネット情報検閲システムであり、中国国内のあらゆるインターネット上の通信を監視していると言われています。監視しているからといって通信が不安定になるとは断言できませんが、日本や欧米では当たり前のように使える特定のインターネットサービスがブロックされている例もあり、安定した通信が阻害されている1つの要因となっている可能性があると考えられています。
加えて、海外と中国を接続している海底ケーブルや拠点が限られているため十分な帯域を確保できないこと。利用の急増にともない中国国内の通信回線は逼迫しており、一部、品質が低い回線が残っている可能性があること。目的の通信先に到達するまでのホップ数(転送・中継地点)が、条件やタイミングによって多くなったり少なくなったりすることなども、安定的な通信を阻害する原因となっている場合があると言われています。
このような日中間の不確実な通信環境は、コロナ禍の中で発生した事象ではなく、日中ビジネスを展開する企業にとっては、長年にわたり直面してきた課題でした。
そのため、安定した通信環境が必要な企業では、日中接続用の専用線やVPN回線などを契約して、信頼性の高い接続環境を確保しています。しかし、このような回線に手間やコストをかけることができる体力のある企業は限られており、余裕のない中小企業においては、リアルタイムでのデータのやり取りや大容量データの通信をあきらめ、ある程度の遅延やエラーが発生することを前提に、日中のサーバ間でデータを同期させる仕組みを構築、物理的なメディアを使ってデータを送信したりするという手段を用いてきました。
日本ワムネットでは、このような不確実性を解消し、低コストで手軽に日中間のファイル通信を実現したいという要望に応え、2020年8月1日より「GigaCC OKURN(オクルン)」のオプションサービス「アジアンゲートウェイ機能」の提供を開始しました。
GigaCC OKURNは、国内実績トップクラスの純国産ファイル転送・共有サービス「GigaCC ASP」のファイル転送機能を切り出したサービスです。アジアンゲートウェイ機能は、その使いやすさ、安全性、コストパフォーマンスはそのまま、安定的に日本と中国・ASEAN地域間の大容量ファイル送信を実現するオプションサービスとなっています。
中国を含むASEAN地域のネットインフラ事情を考慮し、地域内にゲートウェイ拠点を設けることで、日本との通信経路を制御すると同時に、当社が独自に構築したアクセス地域判別システムにより、日本国内からは日本のデータセンターへ、各地域内からは最寄りのゲートウェイへ接続する自動判別ロジックを実装。通信の不安定さを招く要因の影響を低減しています。
そのため、利用者が複雑な経路や宛先を意識したり、設定したりすることなく、スムーズかつスピーディな高速通信を可能にしています。しかも、管理者画面は日本語および英語に対応。さらに利用者画面・通知メールは日本語、英語、そして中国語にも対応しています。
GigaCC OKURNおよびアジアンゲートウェイ機能は、無料トライアルも実施しています。興味をお持ちの場合は、ご遠慮なく日本ワムネットまでお問い合わせください。