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Dr.スギヌマのITランダム・ウォーカー:意外な形でロボットがやってきた
Dr.スギヌマのITランダム・ウォーカー:意外な形でロボットがやってきた


 ロボットがオフィスにやってくる。オフィスに来るロボットといっても、犬型のロボットなどの物理的な形があるものではない。RPA(Robotic Process Automation)と呼ばれる、オフィスでの定型作業を自動化するソフトウェアのことだ。定型処理の自動化が目的であるが、「定型」と言っても幅がある。これまで人間が行っていた作業を代行してくれるなら、大変に有り難いものだ。

ワンちゃんがいる?

 ソニーが犬型ロボット「AIBO」を発売したのは、1999年。可愛い動作で多くの人に愛された。それから19年、新世代の「aibo」が人気を博している。拙宅の初代AIBOは、既に老犬。初めて立ち上がったときは「AIBO、大地に立つ」と喜んだが、今では立ち上がる前に電池が切れてしまう(写真1)

雑誌グラビアや漫画にも登場した拙宅のAIBO。初めて立ち上がったときは「AIBO、大地に立つ」と大いに感動した【写真1】:雑誌グラビアや漫画にも登場した拙宅のAIBO。初めて立ち上がったときは「AIBO、大地に立つ」と大いに感動した

 以前は、オフィスにペットがいるなどという話もあった。外資系企業で、出勤日が決まったワンちゃんがいる、というものも話題になった。海外では、ペット同伴の出勤が許されている会社もある。動物アレルギーの従業員の事情も考慮して、ペット同伴専用エレベーターを見たときは本当に感心した(写真2)

アメリカのあるCGプロダクションには、「ペット同伴専用」のエレベータがあった【写真2】:アメリカのあるCGプロダクションには、「ペット同伴専用」のエレベータがあった

 動物を社内で飼うのは大変に難しいし(犬型ロボット開発時でさえも、犬を飼えなかったという話がある)、ペットを連れての通勤も日本では難しい地域が多いだろう。ならば、ロボット犬が会社にいるのもよいものだ。

 ペットロボットのような癒し用のロボットは、一般に「サービスロボット」と分類されてきた。これは、製造用以外のロボット・ハードウェアを指している。しかし、今回の話題はハードウェアではない。ソフトウェアの「ロボット」だ。

確かに、ハードとは限らない

 ロボットという言葉は、チェコの作家カレル・チャペックの戯曲「R.U.R.」から来ている(写真3)。「人間の代わりに働く」といった意味で使われている。作中では、人造人間であり、実現しているものは現代科学よりも進んでいる。

「ロボット」の語は、カレル・チャペックの兄ヨゼフの創作だそうだ【写真3】:「ロボット」の語は、カレル・チャペックの兄ヨゼフの創作だそうだ

 ロボットと聞けば、産業用ロボットが最初に思い浮かべられるのではなかろうか。自動車の製造ラインに入った産業用ロボットは、資料映像などで目にする機会も多いだろう。産業用ロボットは低価格化、高機能化が進んでおり、小さな工場のラインにも収められるようになった。産業用ロボットと人間の共同作業も新しい時代に入っている。MR(ミックスド・リアリティ)を使って、ロボットの動きを事前に確かめ、安全かつ効率的な作業分担を実現する、といった方法が開発されている(写真4)

DFKIは、産業用ロボット(手前左に腕が見える)と人間の協働作業立案のためにMR技術を導入することを提案している(CeBIT2017にて撮影)【写真4】:DFKIは、産業用ロボット(手前左に腕が見える)と人間の協働作業立案のためにMR技術を導入することを提案している(CeBIT2017にて撮影)

 しかし、考えてみれば、ロボットがハードウェアである必要はどこにもない。「人間の代わりに働く」のならば、ソフトウェアでもそれは実現できる。確かに、以前から「ロボット」と呼ばれるソフトはあった。インターネット上で自動的に情報を集めてくるクローラーもロボットと呼ばれたし、悪質な分野のソフトを「ボット」と呼ぶ場合もあった。自動的に実行、というところが鍵だろう。

 一定の手順に従い、定型的な処理を行う「スクリプト処理」を行っているとき、それをロボットとよぶこともある。こうして見ると、我々の周りにロボットと呼ばれるソフトウェアの種は蒔かれていた。

金融機関で顕著な効果

 ただし、現在のRPAは、単純なスクリプトとは比べものにならない高度化をしている。また、ロボットへの「教育」もプログラムを組むようなものではなく、「お手本をやってみせる」形式で済むようになってきている。RPAは、オフィスの単純作業を代行しれくれるとあって、働き方改革の今、注目の的である。新聞で紹介されている事例を見ると、証券会社で1人当たり1時間の作業時間節約になったとか、銀行において200業務で年間40万時間の作業を削減できた、といった記事がある。事例報告の多くが金融分野ということは、この分野での導入が進んでいるということだろうか。定型的な業務も多々あったとみられるので、効果が大きいだろう。

 金融機関のような大規模なところでなくても、使えそうだ。ただ、こちらは、もうひと捻り必要かも知れない。たとえば、海外出張精算の半自動化。領収書をスキャンすると、出張精算フォームにデータを入れてくれると大変にありがたいが、言語の壁だけでなく、領収書フォーマットの壁もあり、一筋縄ではいかないと見られる。現在のRPAは、まだ書類の内容を読んで見抜くところまで行くものは少ないようだが、これも遠からず実現するだろう。

 RPA同士が「対話」するような未来はあるだろうか。RPAを通して提出された出張精算が、RPAによって内容不備で「却下」される。こんな事も起こるだろう。却下する側のRPAは、高度なAIを備えて「怪しい」提出を見抜く力も付けているかも知れない(写真5)

ラスベガスのタクシーで渡されたレシートの裏面。大変に怪しいため、出張精算には使えなかった(画像を一部加工)【写真5】:ラスベガスのタクシーで渡されたレシートの裏面。大変に怪しいため、出張精算には使えなかった(画像を一部加工)

オフィス以外でも使おう

 怪しい書類を見抜くような業務ではないが、SNSに含まれる「偽情報」(世論の誘導を目指した投稿)を見抜く研究などは行われている。当然、このような監視の目をくぐって、偽情報を流す研究も行われているだろう。2010年頃には、既にシリコンバレーで研究されていたから、現在では高度に進化しているはずだ。偽情報ならぬ「怪しい領収書」を見抜くことは技術的に可能なはずだ。

 RPAは、現在は「会社での業務」用だが、今後、個人事業主(自営業者)などのためのクラウド化されたサービスも数多く立ち上がるだろう。請求書の発行管理は既に存在するが、これと進捗管理(例:「原稿まだですか〜」とメッセージを送る)は容易に組み合わせることができる。海外には、Bed&Breakfast(民宿)や小さなホテルを管理するためのスマートフォン用アプリもある。これも、RPAの一種だろう。

 RPAの存在が社会に認知されれば、全く違った世界でも利用が始まるかも知れない。RPAは決してオフィスだけのものではないはずだ。オフィス外用のRPAも是非とも開発して欲しい。

 最後に、日本特有の利用例を考えてみたい。それは「押印」ロボット。日頃から、書類に見事な印を押して送ってくれる団体があった。先日、お邪魔した際に「機械で押しています?」と尋ねたら「いえいえ、この道、ウン年のワタクシが丹精込めて押しています」と教えてくれた。丹精込めて角印を押してくれるのは嬉しいのだが、担当の方の時間を取って申し訳無い。きっと、RPAとハードウェアのロボットの組み合わせが使えるだろう。ハードウェアも大丈夫。アメリカの国会議員達は、自身のサインを描くロボットを10年以上前から使っている。サインより、印を押す方がずっと楽なはずだ。プリンタの前に置いておくと、紙を取り出して正しい位置に押印する、そんなロボットが登場するだろう。RPAだけでは解決できないことでも、ハードと組み合わせて乗り越えよう。

ライタープロフィール

杉沼浩司(すぎぬま こうじ)
日本大学生産工学部 講師(非常勤)/映像新聞 論説委員
カリフォルニア大学アーバイン校Ph.D.(電気・計算機工学)
いくつかの起業の後、ソニー(株)にて研究開発を担当。現在は、旅する計算機屋として活動中。

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